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コラム

2024.10.24

WEB広告(ネット広告)とは?種類や仕組み、海外への配信について解説

目次

WEB広告(ネット広告)とは?
・WEB広告(ネット広告)のメリット
・WEB広告(ネット広告)のデメリット
WEB広告(ネット広告)の予算について
・WEB広告(ネット広告)の課金方法
・WEB広告(ネット広告)予算の決め方
WEB広告(ネット広告)の種類
・リスティング広告
・ディスプレイ広告
・SNS広告
・動画広告
・WEB広告の目的とリーチ層について
WEB広告(ネット広告)の種類(海外編)
・WEB広告(ネット広告)海外編の概要について
海外向けWEB広告(ネット広告)における言語特性
・中国は検索時単語間にスペースを置かない傾向あり
・香港は単語の組み合わせで検索することが多い
・タイはタイ語以外に英語や中国語の検索も見られる
・ベトナムは濁点に注意
・アメリカはよく使われる共起語を押さえておくと便利
海外向けWEB広告(ネット広告)のクリエイティブ特性
台湾では明るい色調とシンプルでクリーンなビジュアルが好まれる
香港ではテキストとビジュアルがバランスよく配置され、視線を誘導するデザインが多い
タイではダイナミックで遊び心のあるデザインが好まれる
ベトナムでは元気でエネルギッシュな雰囲気のものが多い
アメリカではシンプルなデザインで視覚的なインパクトを重視するスタイルが多い
イギリスではクラシックなイメージとモダンな要素を組み合わせたデザインが主流
オーストラリアでは自然やアウトドアをテーマにしたデザインが多い
マレーシアではカラフルで豊かな色彩が特徴のビジュアルが多い
法規制・インフラ環境
・中国へのプロモーションは、グレートファイヤーオール/ICP登録/タグの設置に注意!
・欧州圏のEU 一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)
・タイへのプロモーションは個人情報保護法(Personal Data Protection Act, PDPA)に注意!
まとめ

WEB広告(ネット広告)とは?

WEB広告には、Googleなどの検索結果に表示されるリスティング広告や、ニュースサイト、メディアサイトなどの広告枠に表示されるディスプレイ広告、SNS広告や動画広告などがあります。

WEB広告の種類(リスティング広告・ディスプレイ広告)
WEB広告の種類(SNS広告・動画広告)

こちらの記事では、WEB広告の種類や特徴に加え、海外への配信について解説いたします。

WEB広告(ネット広告)のメリット

WEB広告を行う上でのメリットは以下の通りです。
・細かなターゲティングが可能(年齢・性別・地域・検索履歴・閲覧履歴)
※利用媒体により設定可能な項目が異なります。
・細かな予算設定が可能(クリック課金・予算の上限設定など)
※利用媒体により設定方法が異なります。
・配信後も随時修正/停止が可能
・短期間で結果が出やすい
・データ収集/分析をすることができる 新聞などのマス広告と比較して、【年齢・性別・地域・検索履歴・閲覧履歴】など細かなターゲティングが可能で、ユーザーに対してより効率的なアプローチをすることができます。また、クリックの回数で広告費が決まる(クリック課金制)など、細かく予算設定ができるため費用対効果が高く、結果を確認しながら広告配信中に修正をすることができるなど、柔軟な仕様もメリットのひとつです。

ターゲティングの種類

WEB広告ごとのターゲティングの種類

※各広告ともにメニューによりセグメント可能なターゲティングが異なります。
※上記は各広告すべてのメニューを合算した、選択可能なターゲティング項目です。

WEB広告(ネット広告)のデメリット

WEB広告を行う上でのデメリットは以下の通りです。
・広告ブロッカーの普及
・入札単価の高騰
広告ブロッカーの普及により、悪質でない広告でもターゲットユーザーに対して配信できないケースが増えてきています。そのため、ユーザーにブロックされずに広告に接触してもらえるような広告戦略の策定や、効果的なアプローチにより、ユーザーに価値を提供する工夫が必要です。
また、競合他社の多い業界は、入札単価が高騰し、その他の広告よりもパフォーマンスが悪くなるなどのリスクがあります。そのため、独自性のあるコンテンツによる差別化を行うことが必要です。

WEB広告(ネット広告)の予算について

WEB広告(ネット広告)の課金方法

予算の種類

・クリック課金(CPC)
クリック課金(=CPC:Cost Per Click)とは、広告がクリックされたタイミングで課金される仕組みで、クリック単価が使用されています。「コスト÷クリック数」で求めることができます。

・インプレッション課金(CPM)
インプレッション課金(=CPM:Cost Per Mile)とは、広告を表示した回数によって課金が発生する仕組みです。「コスト÷広告の表示回数×1,000」で求めることができます。

・コンバージョン課金
コンバージョン課金とは、ユーザーがコンバージョンに至ったタイミングで課金される仕組みです。「コスト÷コンバージョン数」で求めることができます。

・広告視聴課金(CPV)
広告視聴課金(=CPV:Cost Per View)とは、動画広告視聴1回に対して課金が発生する仕組みです。「コスト÷再生回数」で求めることができます。

・友達/フォロワー追加課金
友達追加課金/フォロワー追加課金とは、フォロワーや友達を獲得した時点で課金が発生する仕組みです。

・エンゲージメント課金(CPE)
エンゲージメント課金(=CPE:Cost Per Engagement)とは、ユーザーからのエンゲージメントに対して課金が発生する仕組みです。「コスト÷エンゲージメント数」で求めることができます。

WEB広告ごとの予算の種類

※各広告ともにメニューによりセグメント可能なターゲティングが異なります。
※上記は各広告すべてのメニューを合算した、選択可能なターゲティング項目です。

WEB広告(ネット広告)予算の決め方

目標売上額から逆算する

以下の手順により、目的売上額から広告予算を逆算することができます。

1.目標売上額の設定
まず、広告キャンペーンから期待する目標売上額を設定します。例えば、月間の目標売上額を100万円と設定します。

2.平均注文額の把握
次に、平均注文額(1つの注文あたりの平均売上金額)を割り出します。例えば、平均注文額が5,000円である場合、100万円の目標売上額を達成するには、月間の注文数を計算する必要があります。

3.目標注文数の計算
目標売上額を平均注文額で割ることで、目標注文数を算出することができます。例えば、100万円の目標売上額を5,000円の平均注文額で割ると、月間に200件の注文が必要となります。

4.平均注文率の推定
次に、広告からの平均注文率(広告をクリックしたユーザーのうち、実際に購入に至る割合)を割り出します。過去のデータや業界の標準値を参考にして、平均注文率を推定します。例えば、広告からの平均注文率が3%であると仮定します。

5.目標クリック数の計算
目標注文数を平均注文率で割ることで、目標クリック数を算出することができます。例えば、月間に200件の注文を達成するためには、200 ÷ 0.03 = 6,667件のクリックが必要となります。

6.クリック単価の算出
広告キャンペーンの予算を算出するために、クリック単価(予算÷クリック数)を算出します。例えば、月間に100万円の広告予算を持ち、6,667件のクリックが必要であれば、クリック単価は100万円 ÷ 6,667 = 150円となります。

7.広告予算の設定
最後に、算出されたクリック単価を元に、広告キャンペーンの予算を設定します。この予算をもとに、広告の配信設定やキャンペーンの期間を調整し、目標売上額を達成するための戦略を構築します。

損益分岐点から予算を逆算する

以下の手順により、損益分岐点から逆算して広告予算を算出することができます。
例:ECサイトの広告予算の算出

1.利益の算出
ECサイトでは、新たな広告キャンペーンを展開することによって見込まれる追加の売上を算出します。例えば、新商品の広告キャンペーンにより、1か月間で100万円の追加売上が見込まれるとします。

2.損益分岐点の特定
次に、利益がゼロになる売上額、つまり損益分岐点を特定します。固定費や可変費を考慮し、ECサイトの損益分岐点が150万円と算出されたとします。

3.広告費用の算出
損益分岐点での売上額を特定したら、その売上額から固定費や可変費を差し引いた残りを広告費用と考えます。例えば、損益分岐点での売上が150万円である場合、固定費や可変費が50万円だとします。この場合、広告費用は150万円 – 50万円 = 100万円となります。

4.広告費用の月額化
損益分岐点での広告費用を、広告を行う期間である月単位に換算します。例えば、広告キャンペーンの期間が1か月である場合、広告費用は100万円となります。

5.広告費用の予算設定
最後に、月間の広告費用を元に、広告キャンペーンの予算を設定します。例えば、月間の広告費用が100万円である場合、広告キャンペーンの予算は100万円と設定します。この予算をもとに、広告の配信設定やキャンペーンの期間を調整し、目標の損益分岐点を達成するための戦略を構築します。

WEB広告(ネット広告)の種類

WEB広告(ネット広告)は、目的やターゲットの属性によって使い分けることで効果を最大化することができます。
このセクションでは、WEB広告の種類やWEB広告の選定に必要な知識を目的やターゲット別に解説いたします。

リスティング広告

リスティング広告の特徴

リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンの検索結果に表示される広告で、課金方式はクリック課金制が一般的です。費用相場はキーワードや業界により異なりますが、中小企業で30万~、大企業で数百万〜万ほどとなります。
前提として検索意図があるユーザーに接触する広告のため、関心の高いユーザーにアプローチできる顕在層への販売促進向きの広告です。
販売促進目的の企業様、明確なコンバージョン目的がある企業様、Lowerファネルへアプローチしたい企業様におすすめです。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告の特徴

ディスプレイ広告は、広告枠を持つWEBサイトに掲載される広告です。「動画+テキスト」や「画像+テキスト」の組み合わせで表示されることが多く、視覚的にユーザーにアプローチします。
また、幅広いユーザーとの接点を持つことができるため、潜在層に対してブランド認知を高めるのに効果的です。
認知目的や、Upper/Middleファネルへアプローチしたい企業様へおすすめです。

SNS広告

SNS広告の特徴

SNS広告は、主にソーシャルメディアプラットフォーム上で展開される広告で、ターゲットユーザーに直接アプローチすることができます。主要な媒体にはFacebook AdsやInstagram Adsなどがあり、他の広告と比較して「趣味」や「行動」など、より細かなターゲティングが可能です。
認知目的/販売促進目的やB2C、エンターテインメント業界などにおすすめです。

動画広告

動画広告の特徴

動画広告は、YouTubeなどの動画プラットフォームで利用される広告です。テキストや画像の広告と比較して情報量が多く、商品やサービスのイメージをより明確にユーザーに伝えることができます。
認知目的向けでB2B/B2C問わずおすすめの媒体です。

WEB広告の目的とリーチ層について

以下の表は、前述したWEB広告の種類別に縦軸【レスポンス訴求↔︎ブランド訴求】、横軸【リーチ↔︎セグメント】ごとの分布を表したものです。
販売促進に特化したリスティング広告と認知拡大に特化した動画広告と比較して、ターゲティングの精度が高いSNS広告は幅広くカバーできていることが分かります。

WEB広告の種類別分布

※この図は理論的イメージであり、実際のマーケティング現場では異なる場合がございます。

リーチ層ごとの広告手法

※この図は理論的イメージであり、実際のマーケティング現場では異なる場合がございます。

WEB広告(ネット広告)の種類(海外編)

WEB広告(ネット広告)海外編の概要について

世界の検索トレンドについては、以下の通りです。
ほとんどの国でGoogleやbingが主要検索エンジンとして利用されていますが、中国ではBaidu、韓国ではNEVERなど、国産の検索エンジンを使用している国もあります。

世界の検索トレンド

世界のSNS/動画配信アプリのトレンドについては以下の通りです。
検索エンジンと同様、ほとんどの国でFacebook・Instagram・YouTubeなどのグローバルプラットフォームが利用されているのに対して、中国のみ国産のプラットフォームを使用しています。

世界のSNS/動画配信アプリのトレンド

今ではWEB広告は主要のデジタルマーケティング手法となっていますが、それは海外向けのプロモーションに対しても同じです。しかし、海外向けのWEB広告配信に関してはいくつかの注意事項があります。
こちらのセクションでは、海外向けのWEB広告配信における各国の媒体・言語・法律・クリエイティブの特性について解説いたします。

海外向けWEB広告(ネット広告)における言語特性

中国

検索における使用言語
中国では中国語(標準中国語)が公用語であり、簡体字が利用されています。検索での使用も同様で、英語などの他言語での検索は少ないのが特徴です。

文法の特徴
中国語の語順はSVO型(主語+動詞+目的語)です。そのため、文章検索の際は基本的に主語は省略されます。

台湾・香港と異なり、単語型検索の際は単語間にスペースを置かない傾向にあります。また、短い疑問型の文章で検索することが多いのも特徴の1つです。

中国の検索における文法の特徴

香港

香港では、広東語・英語・中国語が公用語です。話者の比率は、広東語 88.9%、英語 4.3%、中国語 1.9%、その他中国語方言 3.1%、それ以外 1.9% (2016年見積)です。文字は繁体字を使用し、英国植民地だった歴史背景から、英語の利用率が高いのが特徴です。30代以降は広東語・普通話・英語を使用しますが、普通話と比較して英語の使用が減少傾向にあります。

検索における使用言語
検索で使用する文字は繁体字です。中国と同様、文章で検索することもありますが、基本的に単語と単語の間にスペースを開け、単語の組み合わせで検索することが多いです。なお、Googleキーワードプランナーは、スペースの有無は同じキーワードとみなします。

タイ

タイの公用語はタイ語です。華人が全体の15%を占めているため、中国語や、一部では英語が使われています。

検索における使用言語
検索においてはタイ語が中心で、英語や中国語の検索も見られます。

文法の特徴
タイ語の語順はSVO型(主語+動詞+目的語)であり、英語等と同様に文章やフレーズでの検索も多い傾向にあります。

検索方法
検索方法においては単語+動詞が中心で、日本語の検索とは異なる傾向にあります。
名詞句についてはการ(kaan)など動詞を名詞化するための接頭語が必要になるケースがあり、検索において書きやすさ・使いやすさを重視するタイ人には使用頻度が低いのが現状です。

ベトナム

アクセント(濁点)処理
ベトナム語は、「Khách sạn」のように濁点がつくのが特徴のひとつで、クローラーのインデックス処理上は単語によっては別の言葉として処理されているケースがあるため注意が必要です。
基本的に濁点のある単語は濁点を含む単語で対策をすることをおすすめします。

アメリカ

様々な人種・民族が集まる国のため、州により英語の使用率に多少の差はありますが、いずれの州でも英語の利用率が多い傾向にあります。

検索における使用言語
アメリカで検索に使用される言語は8割が英語、次いでスペイン語となります。対策上は英語を中心に考えて問題ありません。

文法の特徴
英語の語順はSVO型(主語+動詞+目的語)で文を形成するため、”visit japan”や“trip to japan”という語順とります。”best places to visit in japan”など、代表的な文章やフレーズでの検索も多く、名詞句(名詞と同様の働きをする複数語句のかたまり)での検索が見られます。

<よく使われる共起語>
・Best〜、must〜:最上級
・things to do〜:やること
・best place to visit in japan Things to do in japan:日本で最も行くべき場所 日本でやること
“best”、”must”や“things to do”は口コミやおすすめなどの具体的な情報を探す際に使われやすい表現です。

海外向けWEB広告(ネット広告)のクリエイティブ特性

クリエイティブ特性について、台湾・香港・タイ・ベトナム・アメリカ・イギリス・オーストラリア・マレーシアについて解説いたします。

台湾

台湾でのクリエイティブ特性は以下の通りです。

カラートーン

台湾のWEB広告におけるカラートーン

フォント・配置
フォントは読みやすい明朝体がよく使われます。カジュアルな広告では、視認性の高いゴシック体も使用されています。
配置は中央揃えのレイアウトが一般的です。空間を意識したデザインが多く、テキストとビジュアルの配置が整っており、情報がスムーズに伝わるように工夫されています。

台湾のWEB広告でよく使用されるフォント
台湾のWEB広告のレイアウト

言語表記・ビジュアル例
使用言語は繁体字で、フォーマルな広告では縦書きが好まれます。
ビジュアルは明るい色調とシンプルでクリーンなビジュアルが好まれます。伝統的な要素(例:ランタン、赤色の装飾など)とモダンなデザインを融合させたビジュアルが多く、文化的背景を反映する広告が多いです。

台湾のWEB広告のビジュアル例

香港

香港でのクリエイティブ特性は以下の通りです。

カラートーン

香港のWEB広告におけるカラートーン

フォント・配置
フォントは視認性の高いゴシック体が好まれます。また、筆字系のフォントも伝統的なイメージを強調する広告で使われます。
配置は非対称レイアウトが用いられたダイナミックな構図が特徴です。テキストとビジュアルがバランスよく配置され、視線を誘導するデザインが多いです。

香港のWEB広告でよく使用されるフォント
香港のWEB広告のレイアウト

言語表記・ビジュアル例
使用言語は繁体字+英語(繁体字のみの場合が多い)で、繁体字と英語の併用では、上下または左右に分けて配置することが一般的です。英語は補助的な役割を果たすことが多いですが、ビジネスや高級ブランドの広告では英語がメインになることもあります。
ビジュアルはダイナミックで高コントラストなビジュアルが好まれます。豪華で派手な色(金色、赤)が使われ、視覚的に目を引くようにデザインされています。都市の風景や伝統的なシンボルも多く取り入れられます。

香港のWEB広告のビジュアル例

タイ

タイでのクリエイティブ特性は以下の通りです。

カラートーン

タイのWEB広告におけるカラートーン

フォント・配置
タイの広告では、タイ字フォントがよく使用されます。これに加え、モダンなサンセリフ体が使われます。手書き風のフォントも親しみやすさを伝えるために用いられることがあります。
配置は縦横無尽なレイアウトが多く、自由な配置が特徴です。視覚的なバランスを保ちながらも、ダイナミックで遊び心のあるデザインが主流です。

タイのWEB広告でよく使用されるフォント
タイのWEB広告のレイアウト

言語表記・ビジュアル例
使用言語はタイ語+英語で、タイ語は母音や子音が上下に配置されます。母音の配置が複雑であるため、フォント選びや文字の大きさに注意が必要です。
ビジュアルはカラフルで活気に満ちたデザインが多く、文化的要素(例:仏像、伝統的な建築物)がよく取り入れられています。

タイのWEB広告のビジュアル例

ベトナム

ベトナムでのクリエイティブ特性は以下の通りです。

カラートーン

ベトナムのWEB広告におけるカラートーン

フォント・配置
フォントは力強いサンセリフ体がよく使用されます。
配置は対称的な配置が多く見られ、視覚的なバランスが重視されています。

ベトナムのWEB広告でよく使用されるフォント
ベトナムのWEB広告のレイアウト

言語表記・ビジュアル例
使用言語はベトナム語(+英語)で、アクセント記号が多く使用されるため、文字の配置に工夫が必要です。広告では、視認性を確保するために、大きめのフォントや文字間隔を保つことが重要です。
ビジュアルは赤と黄色などの明るい色が多く使用され、元気でエネルギッシュな雰囲気のものが多いです。国旗のモチーフや歴史的なシンボルが多用され、ベトナムのアイデンティティが強調されるデザインが一般的です。

ベトナムのWEB広告のビジュアル例

アメリカ

アメリカでのクリエイティブ特性は以下の通りです。

カラートーン

アメリカのWEB広告におけるカラートーン

フォント・配置
アメリカの広告では、インパクトのあるサンセリフ体が多用されます。太字や斜体を使って強調する手法が一般的で、視覚的に目立たせることが重視されます。カスタムフォントも頻繁に使用され、ブランドの個性を強調します。
配置はグリッドベースのレイアウトが一般的で、テキストとビジュアルがきれいに配置されています。余白を効果的に使い、視認性の高いデザインが特徴です。メッセージを明確に伝えるためのシンメトリカルな配置が好まれます。

アメリカのWEB広告でよく使用されるフォント
アメリカのWEB広告のレイアウト

言語表記・ビジュアル例
アメリカの広告では短い文章やスローガンが多用されます。大文字を使用してインパクトを与えることが一般的であり、特に見出しやキャッチコピーに使われます。
ビジュアルは高解像度でリアルな画像が使用され、広告全体にプロフェッショナルで洗練された印象を与えます。シンプルなデザインでありながら、視覚的なインパクトを重視するスタイルが多いです。

アメリカのWEB広告のビジュアル例

イギリス

イギリスでのクリエイティブ特性は以下の通りです。

カラートーン

イギリスのWEB広告におけるカラートーン

フォント・配置
フォントは、セリフ体が多く使用されます。モダンなサンセリフ体も使用され、特にテクノロジーやファッション関連の広告で、洗練された印象を与えます。
配置は左右対称のレイアウトがよく使われ、バランスが重視されています。シンプルな構成が好まれ、情報がわかりやすく整理されており、視覚的に快適なデザインが多いです。

イギリスのWEB広告でよく使用されるフォント
イギリスのWEB広告のレイアウト

言語表記・ビジュアル例
広告では洗練された文体が使われることが多いです。
ビジュアルはシンプルなデザインが多く、落ち着いた色合い(例:ネイビー、グレー)が好まれます。クラシックなイメージとモダンな要素を組み合わせたデザインが主流です。

イギリスのWEB広告のビジュアル例

オーストラリア

オーストラリアでのクリエイティブ特性は以下の通りです。

カラートーン

オーストラリアのWEB広告におけるカラートーン

フォント・配置
フォントは、サンセリフ体が多用されます。アウトドアやスポーツ関連の広告では、親しみやすさや躍動感を与える手書き風のフォントも使用されます。
配置は自由でダイナミックなレイアウトが多く、視覚的なバランスを保ちながらも非対称的な配置が特徴です。余白が多めに取られ、視認性と親しみやすさを両立させたデザインが主流です。

オーストラリアのWEB広告でよく使用されるフォント

言語表記・ビジュアル例
オーストラリアではカジュアルで親しみやすい表現が多く使用されます。ユーモアを交えたリラックスした口調が好まれることが多く、省略形やスラングも頻繁に登場します。
ビジュアルは自然やアウトドアをテーマにしたデザインが多く、明るい色合い(例:青、緑)が使用されます。リアルな写真がよく使われ、ライフスタイルを映し出す広告が主流です。

オーストラリアのWEB広告のビジュアル例

マレーシア

マレーシアでのクリエイティブ特性は以下の通りです。

カラートーン

マレーシアのWEB広告におけるカラートーン

フォント・配置
フォントは、サンセリフなどの多言語対応のフォントが一般的で、特に英語とマレー語を両方表示することが多いです。特に太字のサンセリフ体が使用され、視認性が高いデザインが好まれます。
配置は非対称のレイアウトが多く見られ、視覚的なインパクトを重視したデザインが特徴です。ビジュアルが前面に押し出され、テキストはシンプルにまとめられることが多いです。

マレーシアのWEB広告でよく使用されるフォント
マレーシアのWEB広告のレイアウト

言語表記・ビジュアル例
使用言語はマレー語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、タミル語です。多言語表記が一般的で、広告では複数の言語を併用して異なる文化背景の消費者にアピールすることが多いです。例えば、英語とマレー語が併用され、視覚的には左右対称または上下対称に配置されます。
ビジュアルはカラフルで豊かな色彩が特徴のビジュアルが多く、多文化的な要素(例:民族衣装、伝統的な祭りのシーン)が頻繁に取り入れられます。広告全体が活気とエネルギーを感じさせるデザインが主流です。

マレーシアのWEB広告のビジュアル例

法規制・インフラ環境

中国へのプロモーションは、グレートファイヤーオール/ICP登録/タグの設置に注意!

グレートファイヤーウオール(金盾)の影響

中国以外のサーバーの場合、ページの表示スピードが極端に遅くなり、ページの離脱に繋がります。

グレートファイヤーウオール(金盾)のイメージ画像

中国サーバー&ICP登録
中国サーバーを借りるには基本的にICPが必要で、ICPの登録には中国国内の企業/法人が必要となります。

Google等の中国系用サービス以外のタグ利用
Google等のタグを設置している中国向けページは極端に表示速度が遅くなります。Google Analyticsを使用しているならBaidu統計、GoogleMAPを使用しているならBaiduMAPへの変更の検討が必要です。

PIPL
2021年11月に中国では「個人情報保護法(PIPL)」が施行されました。
これは、データセキュリティ法を補足するものです。組織や個人が個人情報を中国でどのように取り扱うかを定めた法律で、違反すると罰金が課せられます。
具体的には、アプリメーカーに対し個人情報利用の有無を問い、「利用する場合はどのように利用するのか」、「個人の特性に基づいてマーケティングを行うか」などの選択肢をユーザーに提供するよう求める法律です。
※EUの一般データ保護規則(GDPR)に類似しています。

欧州圏のEU 一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)

欧州連合(EU)では、個人情報(データ)の保護という基本的人権の確保を目的とした「EU 一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)」が、2016年5月24日に発効、2018年5月25日から適用が開始されました。
GDPRは、EUを含む欧州経済領域(EEA)域内で取得した「氏名」や「メールアドレス」「クレジットカード番号」などの個人データを EEA 域外に移転することを原則禁止しており、現地進出の日系企業に勤務する現地採用従業員や、日本から派遣されている駐在員も含まれるため注意が必要とされます。行政罰規定があり、違反行為に対しては、高額の制裁金が課されるリスクもあります。
https://www.jetro.go.jp/world/europe/eu/gdpr

▼実務ハンドブック(入門編)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/dcfcebc8265a8943/20160084.pdf

▼実務ハンドブック(実践編)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/76b450c94650862a/20170058.pdf

個人情報保護法違反でグーグルに1億ユーロ(約130億円)の罰金
※2020年12月20日
ユーザーの事前の同意なしに「クッキー」を送付したとして、グーグルに1億ユーロ、アマゾンに3,500万ユーロの罰金を科したと発表しました。同日付の「レゼコー」紙によると、グーグルに対する罰金は、欧州で科されたこの類の罰金としては最高額となります。
CNILは以下の3点において、グーグルがフランスの個人情報保護に関する国内法である「情報処理、情報ファイルおよび自由に関する法律」第82条に違反するとしました。
・ユーザーがgoogle.frにアクセスすると広告目的の「クッキー」がユーザーの事前の同意なしに自動的に設定される。
・アクセス時に設定されたクッキーに関する情報提供の欠如
・クッキーを無効化しても一部の広告目的の「クッキー」が保存、情報を読み続けており、「拒否」のメカニズムに部分的な欠陥がある。
また、約5,000万人のユーザーに影響を与える違反は重大なことと、「クッキー」により収集されたデータによる広告の収入から間接的に多額の利益を得ていることにも言及しました。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/12/fd3aa70ab0fd7681.html

また、2020年末頃からはGoogleが欧州の一部の国への広告主に対して「地域固有の追加料金」が課せられることになりました。日本国内事業者の対象地域/国への広告出稿に対しては2021年10月分の料金より適用されており、具体的な金額はGoogle広告のヘルプページより確認が出来ます。
※引用:GoogleWEBサイト「地域に固有の追加料金」
https://support.google.com/google-ads/answer/9750227

タイへのプロモーションは個人情報保護法(Personal Data Protection Act, PDPA)に注意!

2022年6月に施行された「個人情報保護法(Personal Data Protection Act, PDPA)」は、基本的にEUの一般データ保護規則(GDPR)を参照して定められています。
具体的には、ウェブサイト上にタイ語のページを設けるなど、タイ人観光客を明確に対象とした電子商取引やインバウンド誘致の場合、収集したタイ居住者の情報は、同法の規制対象となります。
個人情報保護法(Personal Data Protection Act, PDPA)の罰則については以下の通りです。

特定個人に損害、中傷、侮辱、嫌悪、屈辱を与え得る情報の無許可利用・公開6ヶ月以下の懲役 50バーツ以下の罰金 上記のいずれかまたは両方
情報の無許可利用・公開により、不正な利益を得る行為1年以下の懲役 100万バーツ以下の罰金 上記のいずれかまたは両方

※法人による法令違反については、代表者、管理職、経営に責任を持つ人物の命令もしくは行動によって引き起こされるか、責任者の怠慢により引き起こされた場合には、責任者も刑事罰の対象となる点に注意が必要です。

まとめ

WEB広告は効果的なマーケティング手法であり、様々な種類やプラットフォームが存在します。適切な広告形態の選定やターゲティング、クリエイティブなコンテンツの構築が成功の鍵となります。また、海外展開する際には地域の特性や文化に配慮し、適切な広告戦略を展開することが重要です。最適な予算設定や運用方法を考え、定期的な分析と改善を行うことで、効果的なWEB広告運用を実現できます。
当社には、業界歴20年以上、延べ25カ国300社以上の実績をもつコンサルタントなど、経験豊富なスタッフが在中しております。

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